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執筆者の写真RYOTARO SHIMA

アマゾンで家が買える日はいつか


Amazon-TurnKey-global tech
TurnKey is the program name (You can access it at http://amazon.com/turnkey)

先日、アマゾンは、全米不動産仲介の大手リアロジーホールディングスとの提携を発表した。


「ついにアマゾンで家が買えるようになるのか!」と思った人もいるかもしれないが、実際には、アマゾンは住宅購入を希望するアマゾンプラットフォームの利用者に、コールドウェルバンカーやセンチュリー21といったリアロジー傘下のブランドを紹介する仕組みだ。


両社の新たなプログラム「TurnKey(ターンキー)」を通じて住宅を購入した人には、最高で5000ドル(約55万円)相当の住宅機器・サービスをアマゾンから受け取る資格が与えられるそうだ。(これはリアロジーの負担)。


発表はセンセーショナルだったが、アマゾンが不動産事業に乗り出すわけではない。


米シアトルに本社を置くZillowなどはテクノロジーを駆使し、旧態依然の不動産仲介業界をまさにDisruptしつつある。それに対し、株価が過去一年で7割以上も下がった旧来の仲介業をベースとするリオロジーにとって、アマゾンの巨大な顧客ベースへのアクセスは起死回生の一手としてどうしても欲しいものであった。


アマゾンにとってはどうか。


短期的には、ターンキーを通じて不動産を購入した利用者にAmazon EcoやAlexaで動くRing Video Doorbellなどの新しいテクノロジーを、リアロジーの費用負担で導入させることができる。


もうすこし戦略的な視点で見ると、利用者の検索エンジンの座をGoogleと激しく競っているアマゾンにとって自社サービスでないにせよ、不動産という品目をプラットフォームに足せることのメリットは小さくなさそうだ。


また、GoogleもアマゾンなどのTech Giantsたちは、”家”という「エンターテインメント、購買など娯楽・消費の拠点となる空間」を今後どう他社に先駆けて支配していくか、を虎視眈々と狙っているに違いない。

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