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執筆者の写真RYOTARO SHIMA

ロバート・モンダヴィの孫が自動運転EVトラクターを開発する理由

更新日:2021年4月20日

ロバートモンダヴィの孫、カルロ・モンダヴィが最近最も力を入れているのは、なんと電動トラクターの開発です。


本ブログではその背景に迫ります。

Mark, Carlo, Praveen and Zach (source: Monarch Tractor)

ナパ・ワイン業界の抱える課題

Monarch創業メンバーの一人であり、あの偉大なロバート・モンダヴィの孫であるカルロ・モンダヴィは(写真中央)は、彼のルーツであるナパのワイン畑の土壌が除草剤や農薬で徐々に本来のバイオダイナミズムを失っていっていること、そしてそれがひいてはワインを飲む消費者の健康に悪影響を与えていることに非常に大きな懸念を頂いていました。

彼はすぐにワイン業界に問題の大きさを理解してもらうため、有機農法への転換をブドウ農家たちに訴えました。ただし有機農法は手間も費用もかかります。多くの農家はその重要性は理解しつつも経済的に有機農法への転換は難しいのが現実でした。

また、農家が土地を耕したり農薬を散布したりするために使うトラクターは数十年前から技術革新が進んでおらず、ディーゼル動力が主流で二酸化炭素をまき散らしており、さらに防護服を着用するものの農薬散布に伴うトラクターの運転手たちへの健康被害も懸念されていました。

フリーウェイでの気づき

あるときカルロは、テスラでサンフランシスコから南に下るフリーウェイを運転をしながら、この難しい課題をどうやって解決するのか、悩んでいました。ふと自分のテスラがフリーウェイを自動運転モードで走行できることを思い出し、「高速道路で時速70マイルで自動運転でき、車線変更もできるなら、時速2-5マイルでワイン畑を自動運転するトラクターをつくれないはずがない!」と思い立ちました。

すぐに知り合いのシリコンバレーの起業家たちに相談し、優秀なエンジニアを分けて欲しいとお願いしました。そのときにカルロが相談したのが、大手ライドシェアのCEOだったのですが、そのときCEOは、申し訳ないが、うちのエンジニアを分けてあげることはできないと言ったのですが、後日カルロに電話で「面白い取り組みをしている人物を紹介したい」と言ってくれました。

それが、Monarch Tractor 共同創業者Markで、MarkはPraveenの二人が当時立ち上げようとしていた完全電動トラクターのプロジェクトをカルロに話しました。

カルロは「このソリューションであれば農家のコスト面での課題は解決するかもしれないし、これは地球規模の環境問題の解決にも貢献する画期的なプロダクトになる。」と確信しました。

意気投合した3人に、現CTOで 機械工学のエンジニアであり、カーネギーメロン大学のロボティクス分野の博士号をもつZachが加わり、この夢のプロジェクトが始まったのです。

夢は現実に

そして2年もたたないうちに、この話は夢物語から現実となり、ものすごいスピードで開発が進み、世界初の自動運転機能を備えた40馬力で10時間稼働が可能な小型トラクターのプロトタイプが完成し、2019年12月にプロダクトローンチを発表したのです。

”Monarchの開発するトラクターは二酸化炭素排出量を減らせるだけではなく、高コストのために有機農法等を諦めていた農家の解決策になる”

とカルロは語っており、その言葉は確信と情熱に満ちています。


photo : courtesy from Monarch Tractor

Monarchトラクターのヴィジョンは、まさにバイデン政権が進める脱炭素社会に向けての政策の方向性にぴったり一致しており、Monarchの技術と製品は、クリーンテックを推進するカリフォルニア州にも注目されています。

ナパ・バレーという世界的ワイン産地は、シリコンバレーから車で1-2時間ほどの距離にあります。Monarchはまさに、ワイン業界とテクノロジー業界が融合した夢のプロジェクトなのです。

この大手トラクター会社でも現時点で開発できていない、画期的な性能のトラクターは、$50,000で予約販売が開始されています。

まずはカリフォルニアのワイン畑で導入がはじまり、今後はブドウだけではなく他の果樹園や農作物の畑などに展開し、さらにはグローバルにそして農業以外の分野にも活用されていく予定です。

グローバル・テック・パートナーズの代表島はMonarch社の取締役として同社の成長をサポートしています。ご興味がある方はこちらからお問合せください。


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